​遺産の名義変更

 

　遺産分割協議まで終了すると、遺産の名義変更をします。たとえどのように協議がまとまっていても、被相続人の財産は、名義変更するまでは公には自分のものとして認められません。

　名義変更手続きとなると煩雑な感じがします。これらの手続きを行うために専門家へ支援を求める、専門家に依頼するなどの対策は必要です。

　どのような手続をするにも、次の書類はほぼ共通して必要となります。

「相続手続き必須６点」

​　①相続人全員の実印が押印された遺産分割協議書

　②相続人全員の印鑑証明書

　③被相続人の出生から死亡までの連続した戸除籍謄本

　④相続人全員の現在戸籍謄本

　⑤相続人全員の住民票

　⑥その他被相続人と相続人との関係を明らかにする戸籍謄本

　手続き機関によっては、これ以外にも求められることもあります。

 

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☆銀行預貯金の解約・払戻、名義変更

　銀行等金融機関では、預貯金者の死亡を知った後は、原則として相続人全員の署名・押印がなければそれ以降の取引はできません。

　そのため、速やかに必要書類を金融機関に提出し、故人名義の預貯金の解約・払戻、預貯金者名義の変更をする必要があります。

　必要書類としては、相続手続き必須６点と相続関係説明図の他、ほとんどの場合各金融機関により独自の様式が求められますので、各金融機関に確認した方が良いでしょう。

　金融機関での相続手続きは、必要書類が沢山だったり、金融機関ごとに支店等へ何度も足を運ばなければならないなど大変な時間と労力を必要としますので、専門家へ相談、依頼することもお考えください。

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☆自動車の名義変更

　普通自動車の場合は、陸運支局で相続移転登録をします。すぐに譲渡する場合や廃車にする場合でも必要となります。

　①まずは、必要な書類等の収集と作成を行います。

　　戸籍謄本、遺産分割協議書、印鑑証明書、車検証等

　②車庫証明の申請手続き

　③陸運支局での移転登録手続き

　概ねこのような手順となります。

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○車庫証明の申請手続き

　車検証に記載された所有者である被相続人の住所と、自動車を相続する相続人の住所が異なる場合、原則として車庫証明を添付しないと陸運支局での名義変更が受理されないため、事前に車庫証明が受けられるかを確認する必要があります。車庫証明を受けるには、自宅と駐車場が直線距離で２キロメートル以内でなければなりません。

●車庫証明申請の必要書類

　・申請書

　・周辺地図（自宅と駐車場との位置関係を明らかにするため）

　・駐車場配置図（駐車場の寸法、前面道路の距離を明らかにするため）

　・保管場所所有者の使用承諾書（駐車場が賃貸借の場合）

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○陸運支局での移転登録手続き

　窓口となる管轄陸運支局を確認し、管轄が異なる場合、ナンバー切り替えのため陸運支局に自動車を乗り入れることが必要です（例外を除く）。

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　自動車の名義変更手続きは、膨大な書類等が必要であり、車庫証明や場合によっては陸運支局への自動車の持ち込みが必要だったりと、結構煩雑なものですので、専門家に相談したり、依頼することをおすすめします。

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☆不動産登記申請

　相続を原因とする所有権移転登記申請は、相続人単独での申請が可能です。所有権移転登記の際は、登録免許税がかかります。

　登記自体は義務ではありませんが、登記をしていないと自己の権利を第三者に対し主張することができません（対抗要件がありません）ので、自己の権利保全のため速やかに登記をして不動産の所有権を自分名義にしておきましょう。

　また、最近では所有者不明の空き家が増加していることもあり、相続が発生した際の登記の手続きは、とても大事なものとなっています。

　不動産名義変更は、相続人本人でも可能ですが、個別事案により登記申請内容や必要書類等が変わることもありますので、司法書士なその専門家に相談することをおすすめいたします。

○不動産登記申請に必要な書類

　・相続手続き必須６点

　・相続関係説明図

　・不動産の固定資産評価証明書

​　・登記申請書