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遺留分とは


遺留分制度とは、被相続人が有していた相続財産について、その一定割合の承継を一定の法定相続人に保証する制度です。(民法1028条以下)

この遺留分制度の趣旨は、被相続人に相続財産の処分の自由を認めながら、法定相続人の生活安定も考慮に入れ、両者の調整を図ることにあります。

被相続人の財産処分が遺留分に反したからといって当然に無効になるのではなく、遺留分権利者の遺留分侵害権請求があった場合に効力があります。したがって、遺留分権利者が一定の期間内に請求しなければ、遺留分権利は消滅してしまうので、注意が必要です。

◆遺留分権利者は
○兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子、直系尊属)です。
○子の代襲相続人も遺留分を有します。
○相続欠格者、相続を廃除された者、相続放棄した者は、遺留分権利者となりません。但し、相

 続欠格、相続人の廃除の場合は代襲相続人が遺留分権利者となります。

◆遺留分の割合
○直系尊属のみが相続人の場合は、相続財産の3分の1に法定相続分を掛けた割合、その他の場

 合は、相続財産の2分の1に法定相続分を掛けた割合です。

<例1>

財産が現金1,200万円のみで、相続人が配偶者と子2人(甲、乙)の場合に故人から贈与、贈をうけた人に請求できる額
◇配偶者は、1,200万円×1/2(法定相続分)×1/2(遺留分割合)=300万円
◇子供甲は、1,200万円×1/4(法定相続分)×1/2(遺留分割合)=150万円
◇子供乙は、1,200万円×1/4(法定相続分)×1/2(遺留分割合)=150万円

<例2>

財産が現金1,200万円のみで、相続人が父と母のみの場合
◇父は、1,200万円×1/2(法定相続分)×1/3(遺留分割合)=200万円
◇母は、1,200万円×1/2(法定相続分)×1/3(遺留分割合)=200万円

◆遺留分の放棄
○遺留分放棄の仕方
 ①相続開始前の放棄は、家庭裁判所(被相続人の住所地の家庭裁判所)の許可が必要です。
 ②相続開始後の放棄は、自由に、遺留分減殺請求の相手に対する意思表示によりできます。
○遺留分放棄の効果
 ①遺留分放棄がなされても、他の相続人の遺留分は増えません。
 ②遺留分放棄した相続人も相続権は失いません。したがって、遺産分割協議の当事者となりま

  すし、相続開始後に相続放棄・限定承認しなければ、負債のみ相続する事態も予想されます

  ので、注意が必要です。


●遺留分侵害権請求とは、相続人に保証されている遺留分が侵害されている場合、被相続人から

 遺贈された人や、生前贈与された人に対して、侵害された遺留分を返還して下さいと請求でき

 る権利です。

せっかくの遺言書も遺留分のことを考えていないと、残されたご家族が大変になってしまいます。

​遺言書には、遺留分減殺請求があった場合のことも書いておくことができます。

☎ 011-311-1620

​受付時間:平日9:00~19:00 

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