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自筆証書遺言

 

☆自ら手書き(自書)で全文、日付、氏名を記載し、押印して作成する遺言の方式です。

​※2019年の民法改正施行により、財産目録は手書きでなくても良いこととなりました。

■長  所

 ○他の人に知られず、費用もかからない

​ ○文字が書ければ、いつでも、どこでも作成が可能

■短  所

 ○家庭裁判所の検認手続が必要

 ○発見されない、偽造・改竄等のおそれがある(保管に注意が必要)

 ○内容が曖昧な場合、効力が問題となる

​ ○訂正方法が厳格で難しい

■自筆証書遺言の書き方と注意点

1 書き方、用紙、筆記具、文字等

 ○全文手書き(全文・日付・署名)です

 ○パソコンやワープロで作成したものは無効です

 ○カーボン紙を挟んで自署したものは有効です

 ○財産目録も自書です

 ○病後などのように、手の震え等の理由で運筆を助けてもらった(添え手)場合に、必ずしも「自書」が否定されるわけではあ

 りませんが、添え手した他人の意志が介入した形跡のないことが、筆跡の上で判定される必要があります(最判昭62年10月8日)

 ○用紙について規定はありませんが、下書きと思われるようなものは避けた方が良いでしょう

 ○複数枚にわたるときは、ホチキス、のり等で綴じて、契印を押します

 ○筆記具は何でも構いませんが、鉛筆は改竄される恐れがあるので万年筆、ボールペン、筆等を使用します

 ○横書き、縦書きどちらでも構いません

 ○​数字は漢数字、アラビア数字(1、2、3・・・)多画文字(壱、弐、参・・・)どれでも構いません

 

2 日付について・・・作成時、満15歳以上でなければなりません

 確定できる日付ならよいとされていますが、西暦や元号を用いて具体的に書きましょう。「平成○○年○月吉日」と書かれてい

 た場合、有効な日付がないとして無効となります。前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の

 遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。

 ​また、被相続人が遺言を書いた後、その財産を処分したり破棄した時も同様です。

 つまり、日付は遺言が撤回されたかどうかの基準にもなります。

 

3 押印とその箇所

 押印及びその箇所については、使用する印は実印でなく認印でも構いません。また、指印(拇印のほか、指頭に墨や朱肉を付けて押印す

 ること)も認められています。

 ​押印箇所は、必ずしも自署した氏名の下でなく、遺言書を入れた封書の封印でも良いとされています。

 

4 内容訂正

 内容を訂正する場合、訂正前の字が分かるように抹消して、その横に訂正部分を書きなおして、押印します。

 また、どの時をどのように変更したかを遺言書の余白に記し、そこに署名します。

​ 訂正には厳格な方法が定められており、訂正するよりは初めから書き直す方が良いでしょう。

5 封をする

6 その他

 封筒に入れるかどうかは自由ですが、遺言書を封筒に入れて封をし、表に「遺言書」と書いておくことをお薦めします。死後、

 見つけてもらわなければ困りますし、内容を知られてしまうと自筆証書遺言にしたい実がありません。

 2人以上の連名で遺言書を書くことはできません(共同遺言の禁止)。

​ たとえ夫婦でも別々に書く必要があります。

 

​​■自筆証書遺言の家裁への検認手続について

 遺言書(公正証書による遺言を除く)の保管者や遺言書を発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭

 裁判所に提出して、その「検認」の申立をしなければなりません。また、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会い

 の上開封しなければならないことになっています。申立を怠ったり、勝手に開封すると5万円以下の過料に処せられることがあ

 ります。

 ※検認とは、相続人に対し遺言の存在とその内容を知らせ、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など、検認の日現在に

  おける遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するための手続きであって、遺言の有効・無効を判断するもの

  ではありません。

  したがって、遺言の無効(遺言能力が欠けていた、本人の意思で書かれたものではない、遺言者が書いたものではない等)を

  主張する場合は、訴訟手続きによる必要があります。

 遺言の執行をするためには、遺言書に検認済証明書が付いていることが必要です。

 ※検認済証明書の申請は、遺言書1通につき150円分の収入印紙と申立人の印鑑が必要です。

■遺言書の検認手続

申立人

 ○遺言書の保管者

​ ○遺言書を発見した相続人

申立先

 ○遺言者の最後の住所地の家庭裁判所

費 用

 ○遺言書(封書の場合は封書)1通につき収入印紙800円

​ ○連絡用の郵便切手(申立する家庭裁判所へ確認)

 ○申立書1通

 ○申立人、相続人全員の戸籍謄本各1通

 ○遺言者の戸籍謄本

​  遺言者の出生に遡る全ての戸籍と相続人を確定させるために必要な全ての戸籍(代襲・第二・第三順位の相続人との関係が証

  明できる

  戸籍謄本等)各1通

 ○遺言書の写し(遺言書が開封されている場合)

​ ※事案によっては、この他の資料の提出を求められることがあります。

※それぞれの遺言例は、Wordファイルで開きます

無効にならないために、自筆証書遺言の作成支援は、専門家にお問い合わせください。

​弊事務所では、遺言者の希望がしっかり叶う遺言書の作成をサポートいたします。

☎ 011-311-1620

​受付時間:平日9:00~19:00 

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